企業が成長していくうえで、人員の拡大は不可欠です。それと同時に膨れ上がるのが人員管理、勤務管理に伴う事務作業です。働き方改革という言葉が声高に叫ばれる中、正確に勤務状況を把握し、かつ、その管理に労力があまりかからない体制を維持しなければいけません。ミスは許されませんし、正確性を支援する仕組みであるべきです。
こうした勤務管理、シフト管理といった領域で、独自システムに何ができるのか、いくつかご紹介します。
交通費、経費精算
営業活動や拠点間の移動等、ビジネスには交通費がつきものです。また、各自の裁量での購入品など、経費精算も社員数が増えてくると、それだけで大量になります。紙ベースで管理しているとしたら精算する側も、精算処理をする側も非常に大きな負担になります。また、部分的にオンライン化されているとしても、その使い勝手がよくなければなかなか利用率が上がらなくて困っているというケースも多いのではないでしょうか。
単体のシステムとして交通費・経費精算機能を提供するのはもちろん、既存の認証基盤やシステムを拡張するかたちで設置するのもお勧めです。各種集計機能をつけることで、部署ごとの予算管理にフィードバックしたり、会社全体での経費状況の把握ができるようにダッシュボードをつけたりと、いろいろな応用可能性があります。すでに駅すぱあとのような経路検索APIを使われているのであれば、そのAPIをベースにすることもできますし、新規にそういったAPIを活用して立ち上げることも可能です。
勤務、休暇管理
出勤、退勤時間の記録や、それにあわせた残業時間の計算など、出退勤に関わる計算やルールは多くあります。そのルールにあわせたシステムを構築することで、自社の特殊な事情にも対応できる仕組みを作り上げることが可能です。休暇制度はもちろん、就業規則にあわせた細かい条件設定が可能になります。
通常の勤怠管理はもちろん、何時間以上残業があったら通知する、といったチェック機能をもうけることができます。会社ごとに就労環境改善に色々な取り組みを行っていると思いますので、そうした取り組みの効果測定ができるレポート機能をシステムに組み込むことも可能ですので、人事のみならず、全社的な取り組みとして見える化し、取り組みを加速させていくこともできるでしょう。
出張申請管理
近郊への出張であればそこまでの稟議が必要がないところも多いと思いますが、長期での出張や、国外への出張の際には、その内容のチェックや付随する事務作業のために詳しい情報取得と複数の承認を課しているところも多いと思います。そうした出張申請管理機能も、単体の機能として、また、勤務管理システム内の一機能として組み込むことが可能です。
経路検索サービスと連携することで、旅程の詳細やその費用も簡単に呼び出せるようにできるため、申請されている費用が適切なものなのか、不正はないのか、といったチェックも容易に行えます。距離や役職に応じた経費精算ルールを適用することもできますので、経費精算担当の目チェックだった部分を大幅に効率化することができます。
シフト管理、調整
就労時間が固定の人員の管理は比較的予想がつきやすいために簡単ですが、シフト制の職場ではそうは簡単にはいきません。週単位、月単位でシフト希望を集め、それをもとにシフト表を作っていく作業は非常に骨の折れる作業です。最近ではシフト作成に重点を置いたサービスも登場してきていますが、規模や要件によっては、自社専用で作ることがベストな場合があります。
システム化をすることで、こうしたシフト管理や付随する調整作業も効率化することができます。シフト希望は専用の画面で登録してもらい、シフト生成もシステムにより自動的に行い、細かいところだけ社員が調整する、というかたちにすることでシフト管理の作業量を大幅に軽減することができます。調整についても専用のチャット画面を設けたり、LINE等の外部ツールと連携するようにすることで、スタッフ側にも管理者側にとっても便利な仕組みを作り上げることができます。
人材研修プラットフォーム
一箇所に集まって行う集合研修は変わらず人気がありますが、オンラインを中心とした自習型の研修もその勢力を拡大しています。こうしたオンライン学習の教材を管理し、視聴できる環境を準備することも、人材のレベルの底上げに有効です。リスキリングが話題になる中、オンラインで様々なコンテンツが集積されている仕組みは、人材教育の根幹になりえます。
動画配信を自前で行うのは費用対効果が悪いことが多いため、Vimeoなどの動画管理サービスをうまく活用しながら、独自コンテンツを蓄積していくのがお勧めです。履修状況や、履修コースにあわせたサポートを組み合わせることで、非常に効果的な人材研修プラットフォームに育成していくことが可能です。
社内手続きオンライン化
引っ越しに伴う住所変更や、家族の変動により手続きなど、社内に対して行う申請というのは細かいものも含めれば非常に多く存在します。そのそれぞれに専用の書式が存在していたりすると、申請する側はその書式を探すところからスタートしないといけないため大変です。
こうした社内手続きを積極的にシステム化することで、「ここにいけばすべて大丈夫」という状態を作り上げることができます。もちろん、入力に手間取っては仕方ないので、ヘルプを充実させる等の工夫が必要でしょう。申請された内容は画面上の処理や、他のシステムへ取り込む用のエクスポート機能などを充実させることで、管理する側の負担も軽減することができます。